8/20/2011

直説法過去形について。

お久しぶりです。
久しく更新していないわけですが、それはこのブログをabandonしたわけでなく、リスイッチしたiBTの勉強に加えて奨学金の申し込み締め切りと学会発表と卒論の中間発表がかぶって一気に忙しくなったためです。iBT107超えたら報告します。

さて、久々に更新したと思えば至極真面目な話を。笑
バイトの関係上、英語の質問をよく受け付ける事があります。そんな私に昨日来た質問。
「"If I had time, I played baseball."とはなんぞや?仮定法ではないのか?訳はどうなんのや?」
でした。確かに希に見かける文章。でも文法的な説明は正直答えに窮して文法書を引っ張りだしました。久々にスッキリした&勉強になったので、是非この感動を共有したいなと思いました。笑 理論的には間違っていない筈なので、同じ事に苦しんでいる方(中高生とか?大学生にもなってこんな事に悩んでいてはイケマセンネ・・・。ショボン)の助けになれば、と思います。間違ってたら訂正ヨロスク。


さて。
まず、Ifを使った文章は、「直説法」と「仮定法」とに分かれます。「仮定法」という文法用語は高校で出てくるけど、直説法ってやらないよね。要するに仮定法じゃないIfの文章が直説法です。笑

例)
(a) If it is rain tomorrow, I cannot play baseball.(直説法未来)

(b) If it were rain today, I could not play baseball.(仮定法過去)

ということです(実はこれらの文章は複文なので、カンマの前後で直説法/仮定法の未来/現在/過去が変わると言う事も出来ますが、ここでは便宜上その議論は置いときます。)。

では、直説法と仮定法を使い分ける基準はどこか。Ifのあとに続く節を条件節、カンマ以降の節を帰結節と呼びますが、仮定法を使うのは、簡単に言えば条件節が「100%偽」の場合です。上記(b)の例では、「今日は雨ではない」という事が絶対条件です。逆に言えば、条件節が「フィフティーフィフティー」の場合は直説法を用いて構わない、という事です。上記(a)の例は、明日の事なので雨かどうかは五分五分。よって直説法を用いる、という事です。
さぁいよいよ本題。以下二つの例を見てみましょう。

例)
(c) If I had time, I played baseball.

(d) If I had had time, I would have played baseball.

帰結節に助動詞があるのが仮定法の形なので、(c)は直説法過去、(d)は仮定法過去完了という事です。この2文はどちらも過去の話をしているわけですが、違いはもうおわかりの通り。


条件節の"If I had time"が、話者にとって「五分五分」か「100%偽」かで変わるわけです。つまり、(c)は「時間があった(と知っていた)ならなぁ」、(d)は単に「時間があったらなぁ」と言っているというわけ。子どもの頃、スケジュール管理はお母さんがやっていましたよね?色々習い事はしていたけど、いや、実は自分にはもっと出来たんじゃないか?自分の有り余る可能性が、あのとき母親の手によって・・・・などと非健全な考えをした場合に(c)の文章が当てはまります。笑

江川(2001[1991]: 253)よりその他の例文を。
If I said that, I apologize.(そう言ったとすれば、おわびします)
If she was awake, she certainly heard the noise.(目を覚ましていたのなら、きっとその物音を聞いたはずだ)

直説法未来→現在→過去と時制を「下ろして」考えてみれば当たり前の話ですが、直説法過去形というのは文法書でも中々お目にかかれない項目です。以下の6冊を参照しましたが、バッチリ説明が載っていたのは江川(2001[1991])だけでした(p253)。
さて、勉強勉強。色々落ち着いたら報告します。



参考文献

江川泰一郎
2001(1991) 『英文法解説 改訂三版』 東京:金子書房。

石黒昭博
2009 『総合英語Forest 6th edition』 東京:桐原書店。

釜池進
2005 『Best Avenue 1 新エスト総合英語』 京都:エスト出版。

中原道喜
2008 『新マスター英文法』 東京:聖文新社。

杉山忠一
1998 『英文法詳解』 東京:学習研究社。

綿貫 陽, 須貝 猛敏, 宮川 幸久, 高松 尚弘
2000 『ロイヤル英文法』 東京:旺文社。


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